2014年1月8日水曜日

新年の御挨拶 - 校長 (1月の学校便りから)


   明けましておめでとうございます   ~ 新しい年の初めに ~        校長 渡邉 賢一

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。昨年は保護者や地域の皆さんにいろいろとお世話になり、心からお礼を申し上げます。本年も本校の教育活動に一層の御理解と御協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
  さて、今日から三学期が始まります。三学期はそれぞれの学年の締め括りをする大切な学期です。めあてと決意を持って一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。特に三年生は、卒業後の進路を決定しなければならない時期です。高校受験は自分一人で乗り越えるものではありますが、同時に皆で力を合わせて乗り切るものでもあります。学級や学年の仲間が一緒に頑張るから自分も頑張れるという側面があります。お互いに支え合って中学校最後の試練を力強く乗り越えていってほしいと心から願っています。
  ところで、自分にとって自分自身は最も遠い存在であるという言葉を聞いたことがあります。自分の顔を見たことがありますかと問われると、何を変なことを尋ねるのか、当然毎日のように見ているよ、と思うでしょう。確かに、自分の顔は、鏡や写真を通して見ることができます。しかし、自分の眼で自分の顔を直接観察したという人は、世界広しと言っても誰一人いないでしょう。その意味で、自分は自分自身にとって最も身近でありながら、最も遠い存在であると言えるかもしれません。
  明治・大正・昭和・平成という四つの時代を生きた安積得也(あずみ とくや)という方が書いたこんな詩があります。

                      光 明
   自分の中には 自分の知らない自分がある
   みんなの中には みんなの知らないみんながある
   みんなえらい みんな尊い みんなみんな天の秘蔵っ子

 この「光明」という詩は、人間の中には、自分でさえ気づかない可能性や能力、才能がいっぱい詰まっていることを教えてくれています。しかし、自分の眼で「自分の顔(表面)」さえ見られない自分に、自分の中にある素晴らしいものに気づくことは、なかなか困難と言えます。人間には「自分の知らない自分」、「未知の我」が存在し、生きるということはそれを発見する過程であるとも言えます。
  中学生の中には、壁にぶつかってそれを乗り越えられず、自分には力がない、そんな自分が嫌いだというふうに感じ、自尊感情を低くする生徒が多くいます。これは思春期にある中学生の一つの特徴と言えるかもしれません。一人一人の生徒は、それぞれ素晴らしいものを多く持っていると思います。この一年、生徒には自分自身を信じて、自分の持っている才能や可能性を一つでも多く気づいてほしいと願っています。生徒一人一人の大いなる可能性を信じ、教職員一同精一杯応援したいと思っている次第です。